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試合はつばぜり合いから始まる

いったい何が言いたいんだ!!とお思いでしょう。

この記事の内容は完全に私の私感です。

 

学生剣道と言う言葉は聞いたことがあるでしょう。どう捉えるかは個人次第ですが一つの見方として、そのまま試合のための剣道と読み替えても良いでしょう。

そして大学を卒業すると、警察官、バリバリの実業団の人を除けば、学生時代のような試合に向けた剣道というよりかは、大人の剣道、言い換えれば昇段審査向けの剣道にシフトしていくのでは無いでしょうか。

極端な表現をすると

試合剣道=>何でもあり

大人の剣道=>一足一刀の間合いでの攻め合いに重きを置く

こんなことを言ったら怒られるかもしれませんが、学生同士の地稽古ならそれこそ何でもやりますが、こと7,8段の先生にかかる時につばぜり合いから引き面を打って喜んでいる学生はきっといないですよね。別に学生剣道が悪いとは言ってません。おそらく誰もしもが学生剣道から大人の剣道にシフトしていくものだと思います。

 

ちょっと話が脱線しましたが、今回はこの学生剣道に関してのトピックです。

 

普通技の稽古をするとき、一足一刀の間合い、もしくは遠間に構えて「やー」と言いそこから技を出す、てのが普通の流れかと思います。

一生懸命稽古をしても試合で勝てない。稽古だとできるのに試合だと相手に良いようにやられる。技のスピードが一緒なのに全く歯が立たたない。

 

その要因一つに間合いの作り方に問題があるかと思います。

 

例えば引き技を打って下がり、そこを相手が追いかけてきた時、体勢だけを見ると下がっている側のほうが下がっている分だけ分が悪いですよね。

つまり試合中は流れがあるので、どちらかが分が良く、どちらかがが分が悪い状態であることがほとんです。逆に全くお互い50%50%の状態というのは止めのあとの始めの状態のみです。

 

話をちょっと変えます。

最近の学生剣道は試合時間のうち大半がつばぜり合いをしている状態が長いのではないでしょうか。私のある試合を図ってみると4分の試合のうち2分半くらいはつばぜり合いをしていました。

つまり何が言いたいかと言うと、学生剣道において一足一刀の間合いになるためにはその前にはつばぜり合いがあり、つばぜり合いを解消後に一足一刀の間合いに入っているのです。

 

試合で強いやつ、特に高校生の場合引き技が上手いです。引き技が上手いということはつばぜり合いが苦でないということ。引き技が打てないというにはつばぜり合いになると苦しいということ。つばぜり合いで苦しいと無理にでもつばぜり合いを解消したがります。

 

脱線しまくった話をまとめます。

つまりつばぜり合いの解消方法が下手、つまり自分から下がるような形で一足一刀の間合いになると、一見一足一刀の間合いになって攻めあってると思っても、下がった側のほうが分が悪いのです。ただ中段だと竹刀が下りて相手に向いているので、自分のほうが分が悪いと気づきにくいのです。

現代剣道に試合において、古通りの技を中段から出すためにはつばぜり合いの正しい解消方法を学び、自分の分が良いように分かれる方法を練習しなければならないということですね。

剣道は一足一刀の間合いに構えあってから試合が始まるように見ますが、大切なことは自分の分が良いように一足一刀の間合いに入ることであり、試合においてその大半はつばぜり合い解消後にそれがあるということです。

 

(補足)

上の話は上段をやるとかなり分かりやすいです。遊びで良いので上段をやってみてください。

つばぜり合いから引き技を打たずに、ただ下がって間合いを切ろうとしても、相手は簡単に切ってくれません。つまり上段を構えられない、もしくは無理やり構えを取るとその瞬間やられます。

これと同じようなことが中段でも本当は起きているのです。ただ竹刀が下にあって右足が前にあるから分かりにくいだけで。